FC2ブログ
いじめを題材にした小説です
肉体的暴力の表現はありませんが
精神的暴力の表現があるので
もしそういうのが嫌な人は見ないことをお勧めします
なおこは一人で苦しんでいた。
なぜなら、今の彼女には、友達と呼べる人達を奪われたからだ。
そう、前まではいた友達。
でも、今はある人たちのせいで、彼女から離れていった。
理由は分かっている。すべてはあの日から始まった。


なおこが中学校に中学した頃。
彼女はいたって普通の少女だった。
物静かで真面目。見た目は愛らしく、
たまに見せる笑顔は、ため息がつくぐらいきれいだった。
友達といえる人達がたくさんいたわけじゃないけど、いた。
なおこは、言葉にしないだけで、本当はなによりも
-多分彼女の人生の中で一番-幸せだった。
「なおこ、一緒に帰ろう。」
友達のえりかが言う。
その顔は、どこか暗くなにかに怯えていた。
「うん、帰ろう。」
なおこはいつも通りに答えた。何も変わらない日常。
でも、友達の顔は、いつもと違う表情をしていた。
いつもはもっと明るいはずなのに。
「なにか、あったの?」
気になって聞いてみても、えりかは、首を振りながら
「ううん、なんでもない。」
と、言葉を濁す。表情は変わらずに、ただ遠くを見つめて。
「そう?ならいいけど。」
なにかあると思うけど、えりかが言いたくないならしょうがないよね。
と、諦め家に向かう。
すぐ後ろでえりかは悲しみに満ちた目でなおこを見つめた。
自分はなにもできずにただ、なおこがどうなってしまうのか。
考えてしまう。
「ほら、早く行こう。」
なおこは振り向く。困ったような眉をし、
微笑みを浮かべながら。
「うん、そうだね。」
ごめんね。なおこ。心の中で呟く。
私はなにもできない。
えりかが暗い表情であった理由を、
なおこは次の日に知ることになる。
スポンサーサイト



Secret